再起
帰宅
煙草をハイライトメンソールに戻した。
夜勤明け、コメダ珈琲でうとうとしながらテキストを読む。
10分の3くらい理解した。
古着屋さんで見つけた無地のTシャツ。夏が楽しみになる。
突然ふわふわのパンケーキが食べたくなった。画像検索で我慢する。
無性に恋人を抱きしめたくなることがある。もちもちの赤ちゃんとか、大きめの犬をぎゅってするときの心の満たしみたいなものを。
世の中にはカッコ良い男の子が多すぎる。丸目で一重の男の子が好き。ガリガリでタレ目の男の子も好き。背丈のそんなにない男の子も好き。でもわたしかわいいから、自慰するとき恋人の笑った顔思い出してる。
おばあちゃん家から貰った煮物はさつま揚げが多めに入ってた。
口内の調子が悪いので、ビタミンCをとグレープフルーツジュースを飲んだら痛かった。
好きなアニメはちゃんと録画した。
夕方の飲酒で優しい仮眠をとった。
お父さんの一言に腹がたって、恨む気持ちに正の字がひとつ増えた。
大切にしたかったり優しくしたかったり、そう思っても出来ないことがある。自分にとって、それは親だった。
お父さんがくれたブレスレットを、ときどき内緒で身に付けている。
優しくできないので いつか幾らかお金をあげたい。
白米
食べたものをメモして毎日筋トレしているので、至って健全な減量をしています。
しかしながら炭水化物やだね。
重たいもの。
誰かと一緒に食べたり誰かが作ってくれたごはんは、ちゃんと食べるって決めてるよ。
明るい話がしたいけど、自分のことを知ってもらいたくてわざと暗い話をして見せた。
からあげくんはレッドが好きだなって思った。
痩せなきゃいけないし、整形したいなって思う。家出て 彼氏と別れて じぶんのためだけに生きたいなって思うことがある。でもそうじゃないなって思う。いろんな男の子に媚売って、まぐれで貰う優しさが美味しい。それよりも見たくなる笑顔って、そうそう出会えないね。
あの子の言葉も気持ちも、ぜんぶ欲しいけど、多分ずっとわかんないまま生きていくんだろうね。
あしたも笑っていて。
くじ引きで当てたコップは2人分あるから、大丈夫。
情緒
ときどきぜんぶどうでもよくなる事がある。ほんのときどき 死にたいなと思う。優しくされると泣きたくなる。酷いことされると 平気なフリして笑わなきゃなと思う。根性焼きしてやりたいような奴はごまんと居る。わたしを知って欲しいと思う。受け入れて貰いたいと思う。みんな不幸になっちゃえばいいと思うこともあった。なんで平等じゃないんだろうと。もっと頑張り屋さんになりたかった。苦しいとき、腕を切らないと誰かに優しくなれなかった。卒業式はホッとした。反対向きの電車に乗ることは素敵だった。なんにも持っていないわたしはいつだって誰かを羨んだ。奪いたいと思った。でも大事な根っこは微塵も奪えないと知ってた。可愛くないからいっぱい笑った。笑った顔が良いと褒めてくれた人の顔を忘れてしまった。ぬいぐるみに顔を埋めた。世界一いい親なのに なんでわたしはこんな風に駄目なんだといつも悩んだ。脳みそは溶けだした。自慢の子になりたかった。優しくされると泣きたくなる。ほっぺたにされるキスで明日も生きたい。いっそのことぜんぶ嫌われたい。根はいい人だよ、って言葉がアホみたいに嫌い。表面も取り繕えないワガママ野郎はその程度だよ。無理していい顔しちゃうあの子を救いたい。もう何も奪いたくない。わたしは誰よりも優しくなきゃいけない。誰よりも憎んでる。誰よりも愛したい。優しくされると泣きたくなる。でも 駄目な奴だなって撫でられたい。わたしはわたしに優しくしたくない。優しくされると泣きたくなる。
赤線
「自分の身は自分で守らないと」と事務所で困った顔をされた。
いれないよって言ったのに、でも好きだよね?と いれてきたので ムカついて飴あげなかった。
部屋について リュックのポケットから取り出した安い飴をあげると、不思議な子だな〜って笑われたり、あーってテキトーな返事をされたりした。
大人
レジを挟んで向かい側に立つきみの手をとり、どこか遠くへ行きたいと。
勤務中何度願えどそれが叶わないのはぼくもきみも大人だからだ。
くそみたいなバイト先。
くそみたいな人間。
同調してしまう自分に反吐がでる。
自分が「酷く性格の悪い」ようにおもえて、涙が溢れるのだ。
悪口なんか言いたくない。
悪口なんか言いたくない。
苦しくて息もできないほど。
言い過ぎだが、言い過ぎでもないよ。
息したくない。
きたねー空気。
インフルエンザ感染よりもこわい。
悪い人に感染。
一生治らない病?
田舎のコンビニのレジに立って、みんな見てくれ!と言わんばかり。
「腕を切りたい」その瞬間に、きみはいつも会いに来る。
それでただ笑ってくれるんだ。
それがぼくは好きで好きでどうしようもない。
きたねー空気。
きたねーやり方で終わらせたいが、勤務中何度願えどそれが叶わないのはぼくもきみも大人だからだ。
二人は優しい大人なんだ。
くそみたいな。きたねーような。
そんな奴らは みんなほんとに大人なの?
もしかしたらぼくら、ぼくときみ、二人だけ子供のままなの?
きたねー生き方が上手にできないのは。どうして。
「子供のように純粋すぎて傷つきやすいのだ」と言われるなら、このまま子供で居たい。
「子供だからまだ社会をなにも知らない」と言われても、このまま子供で居たい。
優しい二人がもしもまだ子供なのだとしたら、ずっと二人で子供で居ようよ。
傷つきやすい心でも、上手に生きられない心でも。
それでもきみとぼくだけは、ずっとずっと子供で居ようよ。ずっとずっと優しくあろうよ。
でもね、きょうもレジを挟んで向かい側に立つきみの手をとりどこか遠くへ行かないのは ぼくもきみも大人だからだよ。ぼくたちは大人なんだよ。