酔様




酒に酔ってそうめんを茹で過ぎてしまった。

1束でいいというのに学ばないのである。

茹で具合もサイアクだった。

バイトをはじめて2日が経った。

今のところは悪くない。

まだ仕事を覚えきれず要領もよくはないので、怒られるというか指摘される面は多いけれど。

でも、やらねばならんと思う。

金麦飲みながら「やらねばならん!やらねばならん!」と、さっき台所で騒いでいた。

人よりできないぶん一生懸命誠実に生きなければいけないと、自分は昔から思っている。

ときどき、そうは言ってもずる賢いというかなんとも調子のいいような綺麗事言ってるような気がして自分に腹がたつこともある。

それでも、自分の今掴んでいる幸せはわたし自身の生き方が引き寄せたものだと思うし、誇りを持っていいんだよな。

自分が狂ったみたいな、ひどく可哀想なサイテー人間な日がある。

それでもわたしは、穏やかで、傷つきやすくて、抜けていて、愛嬌があって、芯があって、正義感があって、感謝の気持ちを忘れない。

わたしは、そういう人だよ。

忘れないでいたい。




昨日、出勤前に駅の階段でハンカチが落ちているのを見つけた。

でもそれを拾わなかった。

今朝、横断歩道付近にペットボトルが落ちていた。

それも拾わなかった。

それをずっと後悔してる。

自転車が倒れていたり、ゴミが落ちていたり、スーパーで他の誰かがぶつかって落とした商品があったりすると 直したり拾ったり並べたりしないと気が済まない。

それっていうのは、もしかするとちょっとした病気の影響だったりするのかもしれない。

でもどうしてもやりたい。

これは本当に誰かに褒められたいとかではなくて、それを見て誰かが嫌な気持ちになったら悲しいからだ。

自分が暗かったりどん底に落ちてたりすると、そういうことって意外と目につきやすかったりする。相手の気持ちとか、周りを気にしたりとかするから。

明るく楽しい時って、前とか上とか見てるから そういう大切なことが見えなくなることがある。

ずっと俯いて生きたいってことでは無いけれど、なんていうか、明るくなって楽しくなって自分のこと大好きになっても、大切な自分の生き方は曲げないでいたいな。

忘れずに。