情緒



ときどきぜんぶどうでもよくなる事がある。ほんのときどき 死にたいなと思う。優しくされると泣きたくなる。酷いことされると 平気なフリして笑わなきゃなと思う。根性焼きしてやりたいような奴はごまんと居る。わたしを知って欲しいと思う。受け入れて貰いたいと思う。みんな不幸になっちゃえばいいと思うこともあった。なんで平等じゃないんだろうと。もっと頑張り屋さんになりたかった。苦しいとき、腕を切らないと誰かに優しくなれなかった。卒業式はホッとした。反対向きの電車に乗ることは素敵だった。なんにも持っていないわたしはいつだって誰かを羨んだ。奪いたいと思った。でも大事な根っこは微塵も奪えないと知ってた。可愛くないからいっぱい笑った。笑った顔が良いと褒めてくれた人の顔を忘れてしまった。ぬいぐるみに顔を埋めた。世界一いい親なのに なんでわたしはこんな風に駄目なんだといつも悩んだ。脳みそは溶けだした。自慢の子になりたかった。優しくされると泣きたくなる。ほっぺたにされるキスで明日も生きたい。いっそのことぜんぶ嫌われたい。根はいい人だよ、って言葉がアホみたいに嫌い。表面も取り繕えないワガママ野郎はその程度だよ。無理していい顔しちゃうあの子を救いたい。もう何も奪いたくない。わたしは誰よりも優しくなきゃいけない。誰よりも憎んでる。誰よりも愛したい。優しくされると泣きたくなる。でも 駄目な奴だなって撫でられたい。わたしはわたしに優しくしたくない。優しくされると泣きたくなる。