健忘

 
 
 

SNSで出会ったあの人やあの子のことを忘れていくことがある。それってちょっと寂しいけれど、当たり前といえば当たり前だなあ なんて。

けれどやっぱり疎遠になっていくのは、リアルでもネットでもどこか寂しくて。 もっと寂しいのは、代わりの誰かがごまんと居るということ。誰かをファボって誰かとLINEして誰かをブロックして誰かにブロックされて。それで忘れてまた優しい誰かに出会うんだな〜って。なんて。
 
 
 
 
 
 
だから代わりが居ないなあと思えるこの瞬間とかこの感じを忘れないで居たいなんてことをときどき思う。
 
 
 
 
 
 
前に、何年か付き合っていた彼女と別れた30代の男性が「次を探すよ。未練とか言ってられない。君みたいに若くないから。」と言っていたことがあって、なんでかそれを思い出すことがある。
 
 
 
 
 
 
その言葉がなんだかとっても寂しくて、わたしには不思議でならなかった。  言葉の裏にはきっと「さみしい」「かなしい」って貼ってあったんだと思いたいけれど。
 
 
 
 
 
大事なひとをまだ愛してるなら嫌いになったフリなんてしないでいいと思うんだよ。きっといつかまた誰かを見つけて、忘れてしまうよ。
だからそれまではその気持ちを大切に持っていていいと思う。
みんな大人になってしまうけれど、わたしは 悲しい時はかなしー!って泣いていいと思うし、幸せなときはさいこー!っていっぱい笑っていいと思うんだよなあ。
 
 
 
 
 
 
でも きっとそれを人前でできる人も居れば、できない人も居るのはわかる。人前でできるひとはいっぱいあまえればいいし、人前でできない人は毛布にくるまってなにかあったかいものを飲もう。
 
と 考えると、ひとの温かさっていうのは いちばんの魔法だから SNSをはさんででも感じたいものなんだろうね。
簡単に繋がれるから、簡単に忘れてしまうんだろうか。
 
 
 
 
テキトーなこと言えないんだけれど、いつも気丈に振る舞ってじっと我慢してるひとのこと嫌いになれない。大騒ぎして「死にたい」なんて口癖のひとのことも嫌いになれない。
 
 
 
ひとは幸せになっても もっともっと幸せになりたがると思うので、いま幸せを感じられなくてもきっと大丈夫。笑うことより泣くことが多くてもきっと大丈夫。
 
 
 
夜更かしはあまりしないで。薬はあまりいっぱい飲まないで。お酒に呑まれ過ぎないで。腕を傷つけ過ぎないで。じぶんのことこの世でいちばん可哀想だって思ってもいいけれど、極力誰かに同じ思いをさせないで。
 
忘れたいこと。忘れたくないこと。